CONTENS
漢方薬療法 免疫療法 温熱療法 がん種類の解説

唾液腺がん

唾液腺がんとは

唾液腺というのは名前のとおり、唾液(つば)を作る組織のことです。
唾液腺には大唾液腺と小唾液腺があります。さらに大唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあり、ここで作られた唾液は管を通じて口腔内に導かれます。

一方、小唾液腺は口腔粘膜やのどの粘膜の一部に存在し、直接口腔内に唾液を分泌しています。
したがって、唾液腺癌とはこれら唾液腺組織を構成する細胞から発生した癌のことを指しています。唾液腺癌のほとんどは耳下腺癌と顎下腺癌で占められ、舌下腺癌はきわめて稀です。また小唾液腺癌の治療はそれが出来た部位の治療(例えば口腔にできた小唾液腺癌は口腔癌の治療といった具合です)に準じて行うので、
以下は大唾液腺癌について御説明いたします。

耳下腺はどこにあるのでしょうか

耳下腺は耳の前から下、そしてほんの少し後ろにも及び皮膚直下の比較的浅い位置に存在しています。
ここは耳下腺の大部分を占め、浅葉と呼ばれています。

一方、耳下腺の一部は、下顎骨(下あごの骨)の後ろを回りこんであごの骨の裏側の深いところに入り込んでいます。ここは深葉と呼ばれています。
つまり耳下腺全体として形はくびれを持った三角錐のようになっています。もちろん左右1対ずつあって、重さは約25gといわれています。子供の頃<おたふくかぜ>にかかって腫らしたところと言えば、なじみが深いかもしれません。

手術の時に注意するものとして浅葉と深葉の間に走っている顔面神経(顔の表情を作る筋肉を動かす神経です)があります。

顎下腺はどこにあるのでしょうか

字のごとく顎(あご)の下で、ちょうどあごの<えら>の部分と正中の間でやや後ろ寄りにあります。形と大きさはクルミのようで す。もちろん左右1対ずつあって、重さは10〜15gくらいといわれています。

手術の時に注意するものとして顔面神経の下顎縁枝(下唇を下に引き下げる、すなわち口をへの字に曲げる運動をする神経です)、 舌下神経(舌を動かす神経です)、舌神経(味覚を司る神経です)があります。

舌下腺はどこにあるのでしょうか

口腔底(口の中で床の部分にあたるところ)粘膜の下でかなり前寄りにあります。大きさは小指頭大です。もちろんこれも 左右1対ずつあって、重さは約2gくらいといわれています。

唾液腺癌の頻度

唾液腺癌は頭頸部癌の3〜5%程度といわれており、頭頸科の初診患者さんで癌の患者さん20人に1人ないしはそれ以下になります。
したがって、決して頻度の高いものではありません。

唾液腺癌の中で耳下腺癌は60〜70%(耳下腺腫瘍の中の20〜30%にあたります)、顎下腺癌20〜30%(顎下腺腫瘍の中の30〜40%にあたります)、舌下腺癌は2〜3%程度です。

症状

耳下腺癌
◇耳下部、耳前部の腫れ
最も多い症状で無痛性のことが大半ですが、痛みを伴うことがあり、何も原因がないのに痛みを伴う時はまず癌であることが疑われます。

◇顔面神経麻痺
癌が神経に浸潤するために起こります。悪性腫瘍特有の症状と考えてまず間違いありません。

顎下腺癌

◇顎下部の腫れ
顎下腺が腫瘍となるので腫れてきます。
この症状を自覚されて病院を受診する方がほとんどです。耳下腺癌同様に何も原因がないのに痛みを伴う時はまず癌であることが疑われます。

舌下腺癌

◇口腔底部の腫れ、オトガイ下部の腫れ
口腔底(口の中の床の部分)の前よりが腫れてきたり、オトガイ下部(顎の骨の下で首の正中部分)がはれてきたりします。
この部分が腫れてくる病気にはいくつかのものがありますが、硬く痛みを伴い、口腔底粘膜が汚くなっているような場合 (進行例でみられます)はまず間違いありません。しかし、実際の臨床では口腔底粘膜から発生した口腔底癌との鑑別が難しいことも多く、 この場合は視触診、画像診断、病理組織型などを参考に診断されます
また、耳下腺癌、顎下腺癌、舌下腺癌いずれの場合も上述の症状以外に最初の症状として頸部のリンパ節が固く腫れて病院を受診されることもあります。



悪性リンパ腫
胃がん
大腸がん
食道がん
前列腺がん
胆道がん
頭頸部がん
咽頭がん
口腔がん
唾液腺がん
肺がん
甲状腺がん
肝臓がん
膵臓がん
腎臓がん
腎盂尿管がん
膀胱がん
陰茎がん
子宮がん
精巣がん
卵巣がん
乳がん
骨・軟部腫瘍

   『topペ−ジ』へ戻る 戻 る